【読書】心淋し川
気になっていた「心淋し川」を読みました。
現代が舞台の小説しか読んだことがなかったので新鮮でした。
「マグロってこんな扱いだったんだなー」とか「あの辺りは昔は田舎だったのかー」とか。
基本情報
著者:西條 奈加
発売日:2020年9月4日
第164回直木賞受賞作品
あらすじ
時代は江戸、淀んだ心淋し川(うらさびし川)のある心町(うらまち)を舞台にした群像劇。
・心淋し川
・閨仏
・はじめましょ
・冬虫夏草
・明けぬ里
・灰の男
という6編から成る作品。
感想
前の話に出てくる人も出てくるので、気がつくと読んでいるこちらも心町に親近感が湧いてきた。
心町自体は古びた長屋が立ち並ぶ、あまり魅力的では無い町だが、付かず離れずの人の優しさが後半に行くにつれて愛おしくなる。
必ずしもハッピーエンドでは無いがそれぞれ余韻があってよかった。
個人的には「はじめましょ」と「冬虫夏草」(全然内容は違う)が好きだった。
「灰の男」は伏線回収になっているので、驚きがあった。
わからなかった言葉
禿(かむろ)…肩までで切りそろえた児童期の髪型、あるいはその髪型をした子供を指す。
差配… 所有主の代わりに貸地・貸家などの管理をすること。また、その人。
やっちゃ場…東京で、青物(あおもの)市場のこと。